鷺岡漢方堂店長のだいぶいい話

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食養生

中医学では、薬と食べ物の間に明確な線引きがありません。食材にはそれぞれ「性」(寒性、熱性等)と「味」(甘い、辛い、苦い等)があるとしています。からだが熱い場合は身体を冷ましてくれる「寒性」の食べ物をとるようにし、反対に冷えがある場合はからだを温めてくれる「熱性」の食べ物をとるようにするのです。

食べ物や食べ方にによってからだのバランスを保ち、健康を維持しようとすることを中医学では「食養生」と言います。食は毎日の基本ですので漢方堂では食養生は一番と考えております。中国には古来より一番格式の高い医者は食医(食養生の医者)でした。これは食が一番大切である証明です。また、「食は医なり、食間違えば病気病す。食正しければ病治す。即ちこれ医食同源なり」という言葉があり「食は医なり」という格言があります。現に日本人の3大死亡原因(ガン・心臓病・脳卒中)は生活習慣によるものです。家庭における食医は主婦です。そのため月に一度旬の野菜を使用した料理教室を開催しております。

身土不二

その土地に出来た季節のものが身体に一番合う食べ物です。冬にはおいしい大根、人参を!!身体を温めてくれます。また、反対に夏にはおいしいトマトやきゅうりは涼性で身体の熱を冷まします。その季節に合った身体にいい食材で毎日健康に過ごしていただきたいと思っております。
(涼性・温性の食べ物は下記を参照してください。)

夏に良い食べ物(涼性)

きゅうり・ごぼう・さつまいも・しそ春菊・せろり・チンゲンサイ・冬瓜・トマト・茄子・たけのこ・緑豆しめじ・えのきたけ

冬に良い食べ物(温性)

アスパラ・かぶ・かぼちゃ・きゃべつ・唐辛子・さんしょう・しょうが・玉ねぎ・大根・人参・にんにく・にんにくの芽・にら・ねぎ・ピーマン・らっきょう

どちらでもない食べ物

いんげん・枝豆・ごぼう・小松菜・里芋・じゃがいも・そらまめもやし・山芋・大豆・小豆・松茸・椎茸・舞茸・なめこ・きくらげ


月経不調

月経周期(生理不順)

女性の一生は、女性ホルモンととても深いかかわりがあります。思春期になると月経(生理)が始まり、閉経までおよそ35年間続きます。この月経は2~3日前後することはあっても、毎月同じ周期でやってくるのが正常です。月経周期の狂いは、女性ホルモンの狂いかもしれません。日頃から基礎体温を測っておくと病気の兆候に気付きやすくなり、ホルモンの分泌を予測できるようになります。生理不順には大きく分けて三つに分類されます。下記でそれぞれ説明していきましょう。

月経先期(生理周期が早い)

月経先期とは24日以内の周期の月経が3回以上続くことを言います。子宮の炎症や子宮筋腫、甲状腺機能亢進症などによって起こります。炎症=熱ととらえる漢方では、熱を冷ます漢方で治療します。更年期に近づくにつれて、月経先期となるひとも多いようです。また、漢方の「氣」は閉める力を司っているため(固接作用)、氣虚(氣が足りない)状態の人も生理周期が短く、だらだらと出血が継続。妊娠しても流産しやすい状態です。排卵日に出血する人もいますが、これはエストロゲンの低下が原因です。

月経後期(生理周期が長い)

月経後期とは40日以上の周期で月経が3回以上続くことを言います。漢方では血虚(血液不足)や陽虚(冷え)が原因と考えます。このとき身体の中では血液が足りず、子宮以外の血液を必要としている臓器へ優先的に送られます。すると、子宮の内膜を分厚くすると血液が不足して月経が遅れるというわけです。月経量が少ない人や太り過ぎの人は、まさにこのタイプ。症状により、冷えを改善したり、補血する漢方がお勧めです。

月経不定期(生理周期が一定ではない)

月経不定期とは月経周期が7日以上短くなったり、長くなったり…。この状態で3回の月経周期が続くことを言います。肝鬱(ストレスなど)が原因で氣と血液の不調(スムーズに行き交わない)が起こっていると考えられ、氣の巡りを良くする漢方が有効です。この場合「排卵があるかどうか」「女性ホルモンやプロラクチン(乳汁ホルモン)の失調があるか」ということも考慮に入れましょう。高温期のまま月経が20日以上遅れると、妊娠の可能性があります。思春期や更年期にも同じ状態が見られますが、月経の量や色、質が基本的に正常で症状のない場合は病症と考えません。


意外と多い男性不妊

不妊の原因の半数は男性側にもあるにもかかわらず、それを知っているのは3割程度。多くは女性側に原因があると思われています。無精子症や精子無力症、射精障害など男性不妊について非常に認識が低く、男性に原因があるにも関わらず検査に抵抗感が強いので病院に行かない人が多いのが現実です。不妊検査はぜひご夫婦一緒に検査をすることを強くお勧めします。



漢方を服用することにより精子の数、運動率が上がったり、奇形率が低下したりと大変よろこばれています。また、鷺岡漢方堂薬局では健康で疲れにくい身体づくりのお手伝いをさせていただきます。

精索静脈瘤

精索には、精巣につながる動脈、血液がかえってくる静脈、そして精巣でつくられた精子を送り届ける精管をひとまとめに包んで保護する役割があります。何らかの原因で静脈を流れる血液が滞ったり逆流したりすると、精巣に余分な圧力がかかり温度が上昇するなどして精子に悪い影響を与えてしまい不妊の原因のひとつになります。政策静脈瘤の大半は左側におこりますが、右側に起こることもあります。この場合漢方ではお血(血の滞り)を取る漢方薬を使用します。



基礎体温とは

基礎体温とは、朝目が覚めたらすぐに寝たままで測定する体温のこと。脇の下ではなく、舌の付け根で測ります。この月経周期は脳の視床下部(自律神経の中枢)から月経調節ホルモンを出し、脳下垂体を刺激して卵巣から女性ホルモンが分泌されます。排卵後は黄体から分泌されるプロゲステロンが視床下部の体温中枢を刺激し、体温の上昇(高温期)が見られます。働いている職業によっては規則的に測れないこともあるでしょうが、日頃から基礎体温を計測しておくと体調不良や病気の兆候に気付きやすくなり、ホルモンの分泌を予測できるようになります。基礎体温が乱れている場合は様々な身体の不調が予測されます。基礎体温とは

体温表のパターンでわかる身体の状態


あなたの体温表をチェック

正常型


正常型

二層性で一番妊娠しやすいタイプ。成熟度のよい卵胞が出来ているので排卵も順調、生理もサラサラした血液が豊富に排出される理想のタイプです。





ダラダラ型
二層性だがゆっくり高温になるタイプ


高温期短期型
高温期が短いタイプ


階段状型
高温期に一段一段上るタイプ


凸状型
高温期の両側前後が低いタイプ


上記の4つのタイプはお血タイプに多い型です。また、黄体ホルモンが足りない可能性があります。このような不安定な体温変動は、経血が血塊 (大・小・レバー状)を含み、生理痛を伴うことが多いです。妊娠しづらく、妊娠しても流産しやすい型です。




高温期低温型
高温期の体温が低いタイプ


左記のタイプは身体が冷えている方が多いタイプです。身体が冷えていると妊娠しづらい。


凹状型
ストレスが多いタイプ


左記のタイプはプロラクチンが高い可能性があります。




無排卵型
高温期を形成しないタイプ


左記のタイプは生理があっても、卵胞の排出がないので、妊娠はしません。



鷺岡式周期療法

※周期によって漢方薬を飲み分けます。


鷺岡式周期療法

西洋医学的な妊娠に必要な条件〈神秘の瞬間〉

  1. 運動性のある多数の精子の射精。
  2. 頸管内への精子の上がり。
  3. 子宮膣からの卵管膨大部の精子の上がり。
  4. 卵胞の発育
  5. 排卵
  6. 黄体の形成。
  7. 卵管内への精子の取り込み。
  8. 卵管膨大部への精子を卵子の受精。
  9. 受精卵の分割(胚の形成)。
  10. 胚の子宮膣への輸送。
  11. 胚の子宮膣への着床。

以上の11の条件がそろって、はじめて妊娠が完了!
鷺岡式周期療法では、この神秘の仕組みが自然に行われるための、健康な男女づくりをお手伝いいたします。


女性不妊

不妊症とは…

通常の夫婦生活において2年以上子供を授からない場合は一般に不妊症と言われています。今は結婚や出産が高齢化傾向で、1日も早い妊娠を望みます。なぜなら女性が30歳を超えると妊娠は年々3.5%低下すると言われ、35歳では25歳の半分になります。男性も50年前に比べると精子濃度がうすくになっているそう。不妊の原因は現在女性だけではなく、男性と半々ぐらいです。今は、1年ぐらいを目安に考えるといいでしょう。

鷺岡式周期療法

赤ちゃんは精子と卵子と子宮の3つがあればできるわけではなく、漢方では居心地の良い身体づくりができて始めてこうのとりが赤ちゃんを運んでくると考えます。これが、臓器をすべてひっくるめてひとつであるという漢方の「全体観」です。この身体づくりができるのが漢方の特徴です。また、赤ちゃんの出産にこぎつけるのは、よい種(卵子や精子)やよい畑(子宮)と例えられますが、よい畑を維持しなければ出産にこぎつくことができません。また、妊娠中や産後の養生が悪ければ、産後の身体の調子の悪さや後にくる更年期にもつながってくるのです。
「鷺岡式周期療法」とは一ヶ月間同じ漢方薬を服用するのではなく、妊娠しやすい身体づくりと同時に月経周期を体温表により月経期・低温期・排卵期・高温期に分け、それぞれの周期の機能を十分に引き出すように漢方薬を使い分けて妊娠しやすいよう身体を作っていくことです。

妊娠と生理の関係

毎月やってくる月経(生理)。面倒くさいと感じる女性もいますが、周期があることは身体にとって重要です。体内では毎月定期的にホルモンが分泌され、赤ちゃんが宿るためのベッド(子宮内膜)を作ります。妊娠しなければ、ベッドは子宮からきれいに排泄されなければいけません。人と比べることがないので「正常な周期はどれくらい?」「最近量が減ってきたかも…」と悩む方も多いでしょう。月経は28日周期が理想ですが、前後3日程度は正常範囲で、それ以上が生理不順。周期が一定していることが大切です。

月経期間は5日前後、量は1日目は少なく2、3日目は多く、4日目以降はだんだんと減少。色は普通の血液よりやや暗赤色で、血塊がないのが正常。血塊があるのはお血、生理痛があるのは異常です。健康な女性には、生理前の頭痛やイライラ、生理痛はありません

生理の量と内膜の厚さは比例しますから、若い時より生理の量が減ったのは内膜が薄くなった証拠。反対に、生理の量が多いとか、耐えきれないほどの生理痛などは子宮筋腫があるのかもしれません。量が多くなくてもだらだら続くのは、漢方では「氣虚」といいます。氣は水道の水をキュッと閉めるような作用(固接作用)を司っていますから、閉める(止める)力がないのです。こうなると妊娠しても流産しやすい状況になりかねません、なぜなら、赤ちゃんができると十月十日赤ちゃんを保っておくことが必要なのですから。身体や子宮を赤ちゃんが住みやすい状態にすることと、子宮の持続力をつけること(良い環境の維持)が妊娠しやすい身体づくりの第一歩です。

定期的なホルモン分泌

生理(月経期)は厚くなった子宮内膜を掃除する時期。月経中はすべてのホルモンが低下するため、うつっぽくなったり、もともと血虚(血液不足)の人は生理出血でさらなる血虚を起こし、不眠・不安感・めまいなどの症状が現れることがあります。生理後にくる低温期(卵胞期)は、エストロゲン(女性ホルモン)が活発になり、排卵のための卵を作る時期。女性ホルモンが活発なため生理が終わると調子がいい女性も多くいます。低温期はなるべく36.5度以下でいてほしもの。体温が高かったり、一定していないと良い卵が作れないことがあります。月経期や低温期に体温が高いのは筋腫や内膜症など、子宮に炎症が起きているのかも。ホルモン療法を受けている場合も高温になることがあります。月経開始から12~15日の間に排卵が起こると高温期(黄体期)といい、子宮体幕を分厚くする時期に入ります。期間が短かったり、一気に高温期に入れない人は黄体機能不全の可能性大。黄体ホルモンが少ないと子宮に赤ちゃんを保つ力が少なくなり、流産の原因になります。また、高温期に入らないのは無排卵(排卵していない)状態です。高温期は低温期より0.2~0.3度上昇するため、漢方的に身体に熱をこもらせている人(赤いニキビ、湿疹など)は症状がひどくなることがあります。一方、血虚(身体の潤い不足)の人はほてり・のぼせ・イライラ・不眠などの不快な症状を訴えます。あなたの身体の不調は生理周期に関係していませんか?排卵の時期だけ頭痛や腹痛がするというのも、漢方では女性ホルモンの低下やお血(血液の滞り)が原因と考えます。


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