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女性不妊

不妊症とは…

通常の夫婦生活において2年以上子供を授からない場合は一般に不妊症と言われています。今は結婚や出産が高齢化傾向で、1日も早い妊娠を望みます。なぜなら女性が30歳を超えると妊娠は年々3.5%低下すると言われ、35歳では25歳の半分になります。男性も50年前に比べると精子濃度がうすくになっているそう。不妊の原因は現在女性だけではなく、男性と半々ぐらいです。今は、1年ぐらいを目安に考えるといいでしょう。

鷺岡式周期療法

赤ちゃんは精子と卵子と子宮の3つがあればできるわけではなく、漢方では居心地の良い身体づくりができて始めてこうのとりが赤ちゃんを運んでくると考えます。これが、臓器をすべてひっくるめてひとつであるという漢方の「全体観」です。この身体づくりができるのが漢方の特徴です。また、赤ちゃんの出産にこぎつけるのは、よい種(卵子や精子)やよい畑(子宮)と例えられますが、よい畑を維持しなければ出産にこぎつくことができません。また、妊娠中や産後の養生が悪ければ、産後の身体の調子の悪さや後にくる更年期にもつながってくるのです。
「鷺岡式周期療法」とは一ヶ月間同じ漢方薬を服用するのではなく、妊娠しやすい身体づくりと同時に月経周期を体温表により月経期・低温期・排卵期・高温期に分け、それぞれの周期の機能を十分に引き出すように漢方薬を使い分けて妊娠しやすいよう身体を作っていくことです。

妊娠と生理の関係

毎月やってくる月経(生理)。面倒くさいと感じる女性もいますが、周期があることは身体にとって重要です。体内では毎月定期的にホルモンが分泌され、赤ちゃんが宿るためのベッド(子宮内膜)を作ります。妊娠しなければ、ベッドは子宮からきれいに排泄されなければいけません。人と比べることがないので「正常な周期はどれくらい?」「最近量が減ってきたかも…」と悩む方も多いでしょう。月経は28日周期が理想ですが、前後3日程度は正常範囲で、それ以上が生理不順。周期が一定していることが大切です。

月経期間は5日前後、量は1日目は少なく2、3日目は多く、4日目以降はだんだんと減少。色は普通の血液よりやや暗赤色で、血塊がないのが正常。血塊があるのはお血、生理痛があるのは異常です。健康な女性には、生理前の頭痛やイライラ、生理痛はありません

生理の量と内膜の厚さは比例しますから、若い時より生理の量が減ったのは内膜が薄くなった証拠。反対に、生理の量が多いとか、耐えきれないほどの生理痛などは子宮筋腫があるのかもしれません。量が多くなくてもだらだら続くのは、漢方では「氣虚」といいます。氣は水道の水をキュッと閉めるような作用(固接作用)を司っていますから、閉める(止める)力がないのです。こうなると妊娠しても流産しやすい状況になりかねません、なぜなら、赤ちゃんができると十月十日赤ちゃんを保っておくことが必要なのですから。身体や子宮を赤ちゃんが住みやすい状態にすることと、子宮の持続力をつけること(良い環境の維持)が妊娠しやすい身体づくりの第一歩です。

定期的なホルモン分泌

生理(月経期)は厚くなった子宮内膜を掃除する時期。月経中はすべてのホルモンが低下するため、うつっぽくなったり、もともと血虚(血液不足)の人は生理出血でさらなる血虚を起こし、不眠・不安感・めまいなどの症状が現れることがあります。生理後にくる低温期(卵胞期)は、エストロゲン(女性ホルモン)が活発になり、排卵のための卵を作る時期。女性ホルモンが活発なため生理が終わると調子がいい女性も多くいます。低温期はなるべく36.5度以下でいてほしもの。体温が高かったり、一定していないと良い卵が作れないことがあります。月経期や低温期に体温が高いのは筋腫や内膜症など、子宮に炎症が起きているのかも。ホルモン療法を受けている場合も高温になることがあります。月経開始から12~15日の間に排卵が起こると高温期(黄体期)といい、子宮体幕を分厚くする時期に入ります。期間が短かったり、一気に高温期に入れない人は黄体機能不全の可能性大。黄体ホルモンが少ないと子宮に赤ちゃんを保つ力が少なくなり、流産の原因になります。また、高温期に入らないのは無排卵(排卵していない)状態です。高温期は低温期より0.2~0.3度上昇するため、漢方的に身体に熱をこもらせている人(赤いニキビ、湿疹など)は症状がひどくなることがあります。一方、血虚(身体の潤い不足)の人はほてり・のぼせ・イライラ・不眠などの不快な症状を訴えます。あなたの身体の不調は生理周期に関係していませんか?排卵の時期だけ頭痛や腹痛がするというのも、漢方では女性ホルモンの低下やお血(血液の滞り)が原因と考えます。


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