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月経不調

月経周期(生理不順)

女性の一生は、女性ホルモンととても深いかかわりがあります。思春期になると月経(生理)が始まり、閉経までおよそ35年間続きます。この月経は2~3日前後することはあっても、毎月同じ周期でやってくるのが正常です。月経周期の狂いは、女性ホルモンの狂いかもしれません。日頃から基礎体温を測っておくと病気の兆候に気付きやすくなり、ホルモンの分泌を予測できるようになります。生理不順には大きく分けて三つに分類されます。下記でそれぞれ説明していきましょう。

月経先期(生理周期が早い)

月経先期とは24日以内の周期の月経が3回以上続くことを言います。子宮の炎症や子宮筋腫、甲状腺機能亢進症などによって起こります。炎症=熱ととらえる漢方では、熱を冷ます漢方で治療します。更年期に近づくにつれて、月経先期となるひとも多いようです。また、漢方の「氣」は閉める力を司っているため(固接作用)、氣虚(氣が足りない)状態の人も生理周期が短く、だらだらと出血が継続。妊娠しても流産しやすい状態です。排卵日に出血する人もいますが、これはエストロゲンの低下が原因です。

月経後期(生理周期が長い)

月経後期とは40日以上の周期で月経が3回以上続くことを言います。漢方では血虚(血液不足)や陽虚(冷え)が原因と考えます。このとき身体の中では血液が足りず、子宮以外の血液を必要としている臓器へ優先的に送られます。すると、子宮の内膜を分厚くすると血液が不足して月経が遅れるというわけです。月経量が少ない人や太り過ぎの人は、まさにこのタイプ。症状により、冷えを改善したり、補血する漢方がお勧めです。

月経不定期(生理周期が一定ではない)

月経不定期とは月経周期が7日以上短くなったり、長くなったり…。この状態で3回の月経周期が続くことを言います。肝鬱(ストレスなど)が原因で氣と血液の不調(スムーズに行き交わない)が起こっていると考えられ、氣の巡りを良くする漢方が有効です。この場合「排卵があるかどうか」「女性ホルモンやプロラクチン(乳汁ホルモン)の失調があるか」ということも考慮に入れましょう。高温期のまま月経が20日以上遅れると、妊娠の可能性があります。思春期や更年期にも同じ状態が見られますが、月経の量や色、質が基本的に正常で症状のない場合は病症と考えません。


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